「子どもが喜ぶことだけすればいい」を読んで、力が抜けた話

育児の正解に悩むワーママが、「子どもが喜ぶことだけすればいい」を読んで肩の力が抜けたことを表現した本レビューのアイキャッチ画像 愛用ツール・書籍


「もっとちゃんとしなきゃ」って、毎日思ってた。

仕事から帰ってきて、ごはん作って、お風呂入れて、寝かしつけて。 それだけでもう、へとへと。 子どもと向き合う余裕なんて、正直ほとんどなかった。

「今日もちゃんと遊んであげられなかった」 「話しかけてくれたのに、スマホ見てた」 「笑顔で接してあげたかったのに、また怒ってしまった」

そういう罪悪感が、じわじわと積み重なっていく感じ。 ワーママって、子育ての時間が短い分、”質”で補わなきゃって勝手にプレッシャーかけてたんですよね。

Xで流れてきた、一冊の本

ある日、タイムラインにこんな投稿が流れてきた。

「育児に悩んでいるなら、この本を読んでほしい」

正直、育児本ってあんまり手に取らないタイプで。 「こうしなさい」「ああしなさい」って言われるのが、なんとなく苦手で。 でもそのポストが気になって、気づいたら注文してた。

それが、『子どもが喜ぶことだけすればいい』(ポプラ社)との出会いだった。

著者は、子どもの心を50年以上見つめてきた先生

この本を書いたのは、児童精神科医の佐々木正美さん。

1935年生まれで、新潟大学医学部を卒業後、東京大学精神科や東京女子医科大学小児科などを経て、川崎医療福祉大学の特任教授を務めた方。 専門は児童青年精神医学で、自閉症の治療教育プログラム「TEACCH」の日本での普及にも尽力された。 糸賀一雄記念賞、朝日社会福祉賞など数々の賞を受賞し、2017年に逝去されている。

そんな、子どもの心を長年見つめてきた先生の言葉が、この薄くてやさしい本に詰まっている。

196ページで、一つひとつのメッセージが短いから、
育児の合間にぱらぱらと読めるのもありがたい。

読み始めて、最初に思ったこと

「あ、なんか、ちがう」

今まで読んできた育児本とは、空気感がちがった。

「〇〇しなさい」じゃなくて、「〇〇しなくていい」って言ってくれる感じ。

たとえば、こんなことが書いてある。

いくら抱いても、いくら甘やかしてもいい。過保護で子どもをダメにした事例を知らない。

(わたしなりにまとめると、こういう意味合いだった。)

甘やかしすぎが心配で、意識的に突き放したりもしてたんだけど。 そんな必要、なかったんだな、って。

「正しい関わり方」を探してたんだな、って気づいた

振り返ってみると、わたし、ずっと「正解」を探してたんだと思う。

何分遊べばいいか。 どんな声かけが発達にいいか。 絵本は何冊読むべきか。

全部、”子どものため”のつもりだったけど、実はどこかで「ちゃんとした親に見られたい」とか「後悔したくない」っていう、自分のための行動だったのかもしれない。

佐々木さんは、何十年もかけて子どもたちの心に寄り添ってきたひと。 その言葉は、押しつけがましくなくて、静かにじんわり沁みてくる。

「マニュアルやノウハウではなく、目の前の子どもが喜ぶことをしてあげればいい」

そのシンプルさに、最初は「そんなことでいいの?」って半信半疑だったんだけど。 読み進めるうちに、じわじわと肩の力が抜けていった。

ちょっと、恥ずかしかった。 でも同時に、すごくラクになった。

子どもへの関わり方が、変わった

それから少し、子どもとの時間の使い方が変わった気がする。

以前は、遊んでいても「これって意味ある遊びかな」「そろそろ絵本読んだほうがいいかな」ってどこかで考えてた。 頭の中がうるさかった。

でも今は、子どもが「これやりたい」って持ってきたものに、素直につきあえるようになってきた。

ブロックを積んで崩すだけの遊びでも。 同じ絵本を10回読んでって言ってきても。 ただそこに一緒にいるだけでも。

「これで、いいんだ」って思えるようになった。

全部の時間が充実してるわけじゃないし、まだイライラすることも全然ある。 でも、あの謎のプレッシャーは、だいぶ薄れた気がする。

この本には、【自己肯定感】【人間関係】【自立心】といったテーマで、心がふっと軽くなる言葉がたくさん集められている。 難しい理論じゃなくて、短いメッセージがぽつりぽつりと並んでいる感じで、疲れた夜にちょっとずつ読むのにちょうどいい。

忙しいワーママにこそ、読んでほしい

子どもと過ごす時間が短いからこそ、「ちゃんとしなきゃ」ってなりやすい。 でも、その「ちゃんと」って、誰のためのものだろう。

子どもはたぶん、完璧なお母さんじゃなくて、一緒に笑ってくれるお母さんのほうが好きだ。

佐々木さんの言葉は、責めるんじゃなくて、ただそっと「大丈夫だよ」って言ってくれる感じがする。 育児書が苦手なひとにこそ、手に取ってみてほしい一冊だと思う。

1,320円で、こんなに肩の力が抜けるなら、安いもんだなって思う。

きっと、少しだけ息ができるようになるから。

書籍情報

ページ数:196ページ

タイトル:子どもが喜ぶことだけすればいい

著者:佐々木正美

出版社:ポプラ社

発売:2021年1月

定価:1,320円(本体1,200円)

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