育休明け、初日のことだった。
「あ、わたしの仕事、変わってる」
デスクに座って、引き継ぎ資料を眺めながら、そう気づいた。育休前にやっていた仕事の内容が、
ごっそり変わっていた。誰かに説明されたわけでもなく、気づいたらそうなっていた。
「そういうものか」と思おうとした。
「仕方ない」と飲み込もうとした。
でも、胸のあたりにじわじわと広がる、あの感覚。
ああ、わたしはもう、元の場所に戻れないんだ。
「戻った」のに、どこにも戻れなかった
育休中は、復帰することをゴールにして生きていた。
保育園が決まった日、少しほっとした。
復帰の日程を会社に伝えて、少し安心した。「戻ったら、またがんばろう」って思っていた。
なのに、戻ったら仕事の内容がガラッと変わっていた。
前の仕事を誰かが引き受けて、わたしには別の役割が割り振られていた。
「時短だから、これくらいの方がいいかな」と思われたのかもしれない。
悪意はないとわかってる。でも、それがまた、しんどかった。
悪意がないのに、こんなに傷つくのか、って。
「文句を言える立場じゃない」という気持ちもあった。育休をとらせてもらって、時短にしてもらって、感謝しなきゃいけないはずなのに——そんな呪いみたいな言葉が、頭の中でぐるぐるしていた。
2日目で、覚悟が決まった
でも、その日の帰り道に思ったんですよね。
このまま、流されていくのか。
仕事の内容が変わっても、「時短だから仕方ない」と受け入れて、
5年後も同じ場所にいる自分の姿。それが、なぜかくっきり見えた。
嫌だ、と思った。
はっきりと、嫌だと思った。
転職するとか、副業を始めるとか、具体的な答えは全然出ていなかった。
でも「このまま流されない」という気持ちだけは、育休明け2日目にして、妙にはっきりした。
何から始めたか——答えは「棚卸し」だった
じゃあ、何をすれば良いのか。
転職サイトを開いてみようか、とも思った。でもスクロールしながら、なんか違うな、と感じた。
求人を見ても、「わたし、何が向いてるんだろう」という問いに答えが出ない。
まず、自分の中を整理しなきゃいけない。
そう気づいて、やったのが自己分析・棚卸しだった。むずかしいことじゃない。 スマホにこんなことを書き出しただけ。
① これまでやってきた仕事を、時系列で並べる
入社からの職歴を、年単位でざっくり振り返った。異動のタイミング、担当した案件、育休の前後。「大した実績なんてない」と思っていたけど、書き出してみると意外と量があった。
② 「得意なこと」と「やってきたこと」を分ける
これが、いちばん大事だったかもしれない。
やってきた仕事の中に、得意なことが埋まってる。でも「やってきた」と「得意」はイコールじゃない。
長年続けてきたのに、全然ときめかない作業もあった。逆に、何気なくやっていたことが、実は自分の強みだったりする。
③ 育休中・育休後にやったことも、ちゃんと含める
保活の情報収集、家事を効率化するために試行錯誤したこと。「仕事じゃないから関係ない」と思いがちだけど、これも立派なスキルだと思う。情報収集力、段取り力、限られた時間で動く力——子育てしながら、自然と身についていたものが、けっこうあった。
今、私のおすすめは週末の下味冷凍まとめを行うこと。
平日の帰宅後が本当に楽になった。こちらは別記事でも紹介しています。
棚卸しをしてみて、変わったこと
全部書き終えたとき、ちょっとだけ呼吸が楽になった気がした。
「わたし、何もない」と思っていたけど、そんなことはなかった。
時短で、子育てしながら、バタバタ走り続けながら、それでもちゃんと積み上げてきたものがあった。
転職をどのタイミングでどんな雇用形態でするかどうか、まだ答えは出ていない。副業をどうするかも、何も決まっていない。でも、「何者でもない自分」から「こういうことができる自分」に、少しだけ景色が変わった。
育休明け初日に感じたあの傷は、消えたわけじゃない。
でも、それがわたしを動かすエネルギーになったのは、確かだと思う。
動き出せないときは、まず「内側」を見る
転職や副業を考えると、すぐ外向きの行動をしたくなる。
求人を見る、SNSでワーママの体験談を漁る。
でも、自分の中が整理されていないまま動くと、どこに向かえばいいのかわからなくて疲弊する。
時短だから、子どもがいるから、今さらキャリアなんて——そう思いそうになることがある。でも、今この瞬間も、あなたはちゃんと何かを積み上げている。
それを、まず自分で確認してあげてほしいな。
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