子どもがいると採用されないんじゃないか、という怖さと向き合った

子どもがいることで採用に不安を感じるワーママが、自分の気持ちと向き合い一歩踏み出したイメージイラスト 働く母のキャリア


今後のキャリアを考えはじめたとき、わたしが最初にやったことは
求人サイトを開くことでも、職務経歴書を書くことでもなかった。

頭の中で、勝手に選考を進めることだった。

「時短勤務です、って言った瞬間に、面接官の顔が曇るんじゃないか」 「子どもが小さいうちは、採用側からしたらリスクだよな」 「そもそも書類だって、子持ちってだけで弾かれるんじゃないか」

誰にも何も言われていないのに。まだ何も動いていないのに。 気づいたら、もう落ちていた。

怖さの正体を、ちゃんと見てみる

わたしが感じていた怖さを分解すると、だいたいこんな感じだった。

「評価される前から、自分で諦めていた」

書類選考で落とされるかもしれない。面接でうまく話せないかもしれない。
子どもの発熱で急に休むことへの引け目を感じるかもしれない。そういう「かもしれない」が、
まるで確定事項みたいに頭の中に並んでいて、気づいたら「どうせ無理」という結論になっていた。

これって、怖さじゃなくて、思い込みだったんですよね。

でも当時のわたしには、その区別がついていなかった。
怖いことと、現実のことが、ぐちゃぐちゃに混ざっていた。

調べるほど、怖くなっていた

ある夜、子どもが寝たあとにスマホで「ワーママ 転職 難しい」と検索したことがある。

よくなかった。

「子持ち女性は書類で落とされる」「時短OK求人は少ない」「育休明けの転職は印象が悪い」みたいな体験談やまとめ記事が、ぼろぼろと出てきた。

もちろんそういうリアルな声も大事だと思う。
でもそのときのわたしには、そういう情報を「客観的に受け取る余裕」がなかった。
ただただ、怖さが上乗せされていくだけだった。

検索を閉じて、「わたしには無理なのかもな」と思った。

布団に入りながら、なんか悔しいな、とも思った。

動けない自分と、動けない理由

怖くて動けない一方で、「このままでいいのか」という焦りもあった。

時短勤務で、今の仕事をなんとなくこなして、気づいたら数年経って、キャリアはどこへいったんだろう、みたいな未来が見えてくる気がして。

でも怖いから動けない。 動かないことへの焦りもある。 動こうとすると、また怖くなる。

この板挟みが、けっこうしんどかった。

誰かに相談しようにも、「転職したいと思ってる」って言葉にするのも怖かった。言葉にしたら現実になる感じがして。夫にも、友人にも、なんとなく言えなかった。

怖さって、孤独にさせるんだなと、後から気づいた。

「怖い」と「現実」は、別のものだった

ある日、ふと気づいたことがある。

わたしはまだ、何もしていない。

書類を出したわけでも、面接を受けたわけでも、「時短です」と誰かに告げたわけでもない。
なのに、もう何度も「落とされた経験」をしていた。頭の中で。

これって、怖さが現実のふりをしていただけだったんじゃないか。

わたしが怖れていたのは「起きたこと」じゃなくて、「起きるかもしれないこと」だった。しかも、その「かもしれない」には、何の根拠もなかった。

ネットの体験談は誰かの現実だけど、わたしの現実じゃない。 子持ち女性を歓迎する会社もあれば、そうじゃない会社もある。 面接官が全員、子どもの話に眉をひそめるわけじゃない。

「採用されないんじゃないか」という怖さの9割は、まだ起きていないことへの想像だった。

怖さと向き合うって、どういうことか

怖さを「消す」ことはできないんですよね、たぶん。

でも怖さに「飲み込まれないこと」はできる、と思いはじめた。

怖さを感じながらも、「これは現実じゃなくて、わたしの想像だ」と一歩引いて見ること。怖さをゼロにしようとするんじゃなくて、怖さと一緒に、次のことを考えてみること。

エージェントにだけは登録をして求人を眺めているだけ。
今のわたしはまだ、具体的に動き出してはいない。

求人に応募したわけでも、それでも、「どうせ無理」から「まだわからない」に変わった。
それだけで、少し息がしやすくなった気がした。

一歩踏み出せていないことに、焦りがないわけじゃない。でも、怖さと向き合えたこと、怖さの正体に気づけたこと、それ自体が一歩目だったのかもしれないと、今は思っている。

同じ場所で立ち止まっているワーママさんへ。

動けない自分を責めなくていいと思う。怖いのは、それだけ真剣に考えているということだから。怖さの正体に気づくだけで、少し景色が変わることがある。あなたのペースで、いい。

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